渋谷すばるから引き継いだ歌唱パートから各メンバーの曲における役割を考察する
新型コロナウイルスの影響で47都道府県ツアー「UPDATE」の3/11島根・鳥取公演、3/12茨城公演が4/21,/22に延期されることとなったのは皆さん記憶に新しいかと思います。
なぜアーティスト側が謝らなければならないのか、悪いのは全てコロナなのに、なぜアーティストとファンの大切な場を奪うのか、コロナ滅、という気持ちをここ最近常にもち続けております。(過激)
そんな中、3/8 20時に更新された関ジャニ∞TV。
「きっとうまくいく」というタイトルで、5人になった関ジャニ∞が歌う「All is well」が初お披露目となりました。
正直いって泣いた。本当に泣いた。
7人で歌うことが大切と言われてしまいそうだった、宝箱にしまわれてしまいそうだった曲を、
UPDATEのセトリにも入っていないらしいのに(筆者は4/20宮城公演参戦予定のためまだ入ることができていません。これもコロナの影響でどうなっていくか…コロナ滅)
歌割を変え、リハーサルをして、ファンのためだけに歌ってくれた。
それだけで本当に嬉しかった。
その中でも、元々すばるくんのパートだった
愛してる 届かなくても…
信じている この言葉
All is well…
曲の最後、一番最後のソロパートであり曲の後味を決めるとても大事なパートであるこの部分を村上さんが引き継いでいたというのが本当に衝撃でした。
村上さん、安定した音程はもちろんですが、すばるくんもやっていなかった裏声なしで hiB(オクターブ上のシ)まで歌いきるということもやってのけてしまっていたことに本当に驚いたのです。
思えば村上さんは十五祭での「ひとつのうた」でもすばるくんのラスサビ前の見せ場である
惹かれたのは
ここにある熱いモノが似ているから
きっとそうだろう?
このパートを引き継いでいたのを生で聞いて知ったときもまあ驚いたのを覚えています。
ここで思ったことがひとつ。
すばるくんのパートに関して、現時点で等配分というわけではありませんが現関ジャニ∞メンバー全員にパートが引き継がれ振り分けられています。
なぜそのメンバーにそのパートが託され歌い継がれているのか
これを考えることで、各メンバーの歌声が関ジャニ∞の曲にどういうエッセンスをもたらしているのかを考察することができるのではないかと考えました。
過去のメンバー間の発言や個人的なイメージなどから紐解いていこうと思いますが、なにぶん自己解釈の範疇を過ぎないものですので「それちゃうやろ!」みたいな点も出てくるかもしれません。
「そんな見方もあるのね~へぇ~」くらいのライトなノリで考えてもらえればと思います。
ではいきます。
横山さん
横山さんが引き継いだパートの代表例といえば、やはり難波いろは節のロングトーンでしょう。
8ESTで「すばるのいろはのパートかっこええよな」と言った流れから生まれた「横山裕のロングトーン」が、まさかこのような形で恒常化するとは誰も予想していなかったと思います。
いろは節のロングトーンは言ってしまえば「曲の顔」です。あれがなかったらつまらない。そういうパートだと思います。
同時に、「これこそ渋谷すばるのすごいところだよね!!」と言われ続けてきたパートでもあり、ジャニーズシャッフルメドレーなどでこの曲を歌うメンバーに歌が上手いことで有名な嵐の大野くんがいたときであってもこのパートは歌われなかった。つまり、「渋谷すばるだからこそ歌うことを許されたパート」だったのではないかと思うのです。
それを本人から「じゃあやってみろや」と譲ってもらうことができて、やいやい言いながらも最後は自分の出せる全力でやりきることができるのは、やはり横山さんだけだったんだろうと思います。例えば他のメンバーであれば「かっこええなぁ」とか「歌いたいなぁ」とかがあったとしてもすばるくんが本番の歌唱パートを譲るということはなかったんじゃないかなぁと思うのです。
また、バンドver.のズッコケ男道でメインをはっていたのも本当に印象に残っています。
すばるくんが歌声やブルースハープで盛り上げていたところを、横山さんはお客さんの煽りというステージパフォーマンスに昇華させて自分のものにしていた。しかし曲の色合いは変わることなく、むしろ進化して見えたのが印象的でした。
以上のところから、横山さんはメンバーしかりファンしかり、「渋谷すばる」という存在が強すぎるあまり他の人の介入を許していなかった領域を引き継いでいくんだろうなぁという感じがしました。
激重ですよね。めちゃくちゃ重いと思います。でも横山さんにとってはもしかしたらすばるくんの存在とプレッシャーを一身に浴びることになる分逆に燃えるのかもしれません。ストイックすぎる彼のことなのでね。
村上さん
村上さんの強みはすばるくんのパートと同じ箇所を2番で歌っている割合が多いということ。これにより、多くの曲のBメロすばるくんパートなどを引き継いでいる印象があります。
代表的なのは前向きスクリーム!のBメロである
さあ 皆のもの熱くなれ
今に輝く星となれ Oh
などでしょうか。
そしてすばるくんと錦戸さんが抜けてから初めて、すばるくんを初めとするメインボーカルラインをユニゾンという形で支えて関ジャニ∞のハーモニーを作り上げていたのは村上さんの功績だったことにも気づかされました。
また先述したパートしかり、村上さんが引き継いでいるパートは歌詞が言葉となって入ってきてその結果感動が生まれる、というようなところが多いのではないかと感じています。
思えば、「Dye D?」の製作秘話で安田さんが
「英詩から始まり、初めて日本語の歌詞が出てくるところだから、言葉もしっかり伝えてもらいたくて、なおかつ力強くてっていうところで信ちゃんにした」(意訳・抜粋)
ということを話していたことがありました。
安田さんの見解をもとに、村上さんの歌声ならば歌詞の意味がより一層入ってくるという仮説をたてて考えると、
愛してる 届かなくても…
信じている この言葉
All is well…
惹かれたのは
ここにある熱いモノが似ているから
きっとそうだろう?
これらのパートは、確かにこの曲が歌われてきた時期それぞれで関ジャニ∞が強く伝えたかったことに繋がっているんだろうなぁという風に思います。
村上さんの歌声は喋っている声とほぼ変わらないという総評がありますが、それはつまり言葉で伝えてくれる時と歌声を通して伝えてくれるものの温度に差異がない=歌詞が言葉として伝わりやすいということにも繋がってくるのでしょうね。
十五祭のDVDでもさらに歌の技術が上がったことが垣間見え、5人体制になってからはメインパートを任されることもしばしば出てきた村上さん。彼の計り知れないポテンシャルにドキドキが止まらないし、とても楽しみでもあるところです。
丸山さん
丸山さんが引き継いだパートを一言で言うのならば「安田さんハモりパートの引き継ぎ」というところが大きいのではないでしょうか。
例えばへそまがりの入りのパートである
立ちはだかる困難に
光れヒューマンストーリー
や、今のラスサビ前パートである
君の声思い出したら
今 時に乗る
またBJのCメロである
引き裂いた夢から 溢れ出たのは
どんな嘘だったろう(まだ掴めねど)
その傷の全てが(yes 多分)
優しさにかわる 告げよう
(There's nothing to be wrong for you)
あの頃の僕に
など、すばるくんが安田さんとハモることで曲のフックになっていたところを任されている度合いが多いような気がします。
(All is wellの場合はCメロの錦戸さんパートを引き継いでいたわけですが、ここも安田さんハモりパートなんですよね)
兼ねてからハモり職人と呼ばれてきた丸山さんですが、ここにきてその才能が丸山さんがメインで歌うことで相手のハモりが綺麗に入る歌声に進化してきたのではないかと考えています。
だからこそこれまでの中低音のハモりに加えてボーカルラインでハモらせるというところにも重きが置かれ出しているのではないかと思うのです。
丸山さんの歌声は、丸山さんを写したようにとても優しい。その優しさが、今は関ジャニ∞としての芯の強さに変わってきているような気がします。彼の存在は、きっと今の関ジャニ∞の安定剤になっているんだろうなぁとファンながらに思うのです。
安田さん
安田さんはなんといってもすばるくんのシャウトパートの引き継ぎが大きいでしょう。
ロマネスクのラストのフェイクや、
蒼写真のラスト前パートである
遥か遠く 群青の写真のなかで
笑いかける 君は僕になって
であったり、オモイダマのラスサビ前である
オモイダマ 今 空を駆け上った
それはあの太陽よりまぶしかった
など、すばるくんが歌っていた印象的なソロパートは基本的に安田さんが引き継いだイメージがあります。
安田さんは丸山さんと同じくハモり職人と呼ばれて久しい人ですが、彼自身も
「誰にハモるかによってビブラートのかけ方だったり声の入れ方を替えている」
と言っていたことがありました。
安田さんは元の歌い手の歌いかたの性質を替えずに自分の歌として昇華できる人なのではないかと思うのです。
つまり、一番「渋谷すばる」の色を残しておきたいパート=その色が入ることで曲の世界観が完成していたパートの場合、安田さんが抜擢されていることが多いのではないかと考えました。
実際6人体制になった辺りから「安田さんの歌いかたがビブラートを強くかけるクセ強めの歌声に替わった」という声をチラホラ見るようになりました。
これはわたしの推測ですが、すばるくんがいなくなった関ジャニ∞のハーモニーの中に渋谷すばるの色として一番切り取られやすい「強いビブラート」を残そうとした結果、安田さんとしてのクセの強さとして露呈するようになったのではないかと考えています。
さらっといっていますが、こんなこと簡単に出来ることじゃないです。自分の歌いかたを自在に操ることが出来るなんて。最近も関ジャニ∞TVで弾き語りをしてくれた「友よ」と、直後に関ジャムにて放送された竹内まりやさんの「マンハッタン・キス」では歌いかたがまるで違いました。すごい、すごすぎる。カメレオンとはよく言ったものだとしみじみ思います。
安田さんのカメレオン歌手具合がこれからもどんどん加速していくのだろうということが最近綴っていた言葉からも推測できるので、本当に恐ろしくて、そして楽しみでしょうがないのです。
大倉さん
大倉さんは、すばるくんが力を抜いて力まずに歌っていたパートの引き継ぎ率が高いと感じています。
例えばAll is wellの入りのパートである
また会えるかな
いつまでもこのまま 時の流れるままこのまま
まっすぐに進もう心のまま 疲れたら休もうそのまま
音になにかが乗っかって また誰かの心を解かして
一緒に歩いていこう また会えるかな また会えるかな
や、I to Uのラストである
愛しているという…
などが当てはまると思います。
このようなパートを引き継いでいる背景に大倉さんのいい意味での「普遍さ」「フラットさ」が介在しているのではないかと思います。
大倉さんの歌の魅力は歌いかたに波がないところだと思っています。それが彼の低音と合間って関ジャニ∞の歌声における「土台」「安定感」に繋がっていると推測します。
専門家ではないので詳しいところは分かりませんが、恐らくすばるくんの力まない歌いかたと大倉さんの普段の歌いかたの性質が似ているのでしょう。声の高さや歌いかたは比べても明らかに違うのに、なぜか違和感が少ないのはそういうことだと思います。
関ジャムからの影響かボイトレを始めたことをラジオで話していた大倉さん。All is well では、その歌声の違いが顕著に現れていて本当に驚きました。
安田さんも言っていましたが「全員がメインボーカルになる」という向上心しか見えない今後のグループ目標にいち早く目に見える形で手を付けた大倉さん。最近の彼に対するファンの信頼度はすさまじいですが、その彼が結果を出してきているところに「関ジャニ∞、まだまだやれるやろ?」という気概を強く感じています。
いかがだったでしょうか?
ここまでつらつら語ってきましたが、実際のところすべてこれに当てはまるというわけでもないし、曲の世界観や曲調、音程の具合、曲の背景などによって様々な振り分けられ方をしているとは思います。
しかし、これを書いてきて思ったことがありました。
すばるくんが抜け、後に錦戸さんが抜けて、歌割りがどんどん変化していくなかで、
関ジャニ∞の5人は自身の、そしてグループの歌声そのものまでも進化させていっている
という事実に改めて驚かされました。
デビューして15年を過ぎ、超大手アイドル事務所の2大看板に名を連ねて久しいトップアイドルですよ。普通なら自分達の能力にあぐらをかいてもいいようなものなのに。
どんどんUPDATEしたものをファンに提示しようとしてくれている、その努力が垣間見えるのがなんとも誇らしいし、そして本当に愛しいと思います。
その努力は、友よがインレコ設立以来のロングヒットになっていることにも絶対に繋がっていると思っています。
累計ロングヒットの1位が無責任ヒーローの40万枚。友よが2/24付のオリコン売り上げ総数として32.9万枚だそうです。
これいけると思うんですよね。
彼らの歌声は、ファン以外の心もしっかり動かしている。わたしの周りでも、eighterでない方が「歌番組見たよ、友よいい曲だね」と言ってくれることが多くなりました。
もちろん曲が最高であることもありますが、彼らの生の歌声のパフォーマンスをいいものだと思ってくれる人が多いということもあると思うのです。
この先、恐らく5人の歌声はさらに進化してくるのではないかと思っています。
正直めちゃくちゃ楽しみで仕方ないです。「わたしが大好きな人たちは、こんなに歌がうまいんだよ!!!」と大声で叫びたくなります。
だからこそ、そう言えるパフォーマンスの場がもっともっと増えてほしいと思います。まずはコロナの沈静化ですかね…一刻も早く普段通りのステージパフォーマンスができる状況にまで回復してほしいと願うばかりです。
では最後に。
あ~~~~~~!!!!!!!!5人のアルバム、全形態買うから早くほしいな~~~~~~!!!!!!!!!!
桜菜(@_sana_eighter_)